Date/Time
Date(s) - 2021年05月23日
11:00 am
Location
京都観世会館
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公演日時:2021/05/23(日・SUN) 11:00~
主催:京都観世会
演目:
(能) 橋弁慶 林宗一郎
(狂言)長光 小笠原由祠
(能) 杜若 恋之舞 片山伸吾
(能) 須磨源氏 窕 橋本光史
入場料:
前売券 一般 自由席 ¥6,000
当日券 一般 自由席 ¥6,500
学生券 2階 自由席 ¥3,000
特別会員年間会費(会員券10枚) ¥75,000
普通会員年間会費(会員券10枚) ¥43,000
6回会員年間会費(会員券6枚) ¥30,000
***5月例会前売券について***
前売券(一般6,000円・学生2階自由席3,000円)は、4月16日より事務所・
電話・WEBにて、限定数での発売といたします。
なお年間普通会員・6回会員の方は、事前予約無しでご入場いただけます。
※通信講座受講生、放送大学、老人大学は一般料金です。
演目解説
橋弁慶
はしべんけい
西塔の近くに住む弁慶は、さる願い事のために、五条の天神へ丑の刻詣をしている。今夜が満願という日に従者と共に出かけようとすると、従者は、昨夜五条の橋に十二、三歳程の少年が通行人を小太刀で切って廻り、その姿はさながら蝶・鳥のようだったと言う。従者は弁慶に今夜の参詣をやめるように言う。一旦は思い止どまろうとする弁慶だが、弁慶ほどのものが聞き逃げしたとあっては無念だ、その者を逆に討ちとってやろうと五条の橋へ向かう。 〈中入〉
五条の橋では化生の者からやっとの思いで逃げて来たという者が、その恐ろしかった話を顔見知りの者にする。あまりにおびえているので、顔見知りの者はおもしろ半分に「さっきの千人斬りがそなたを討ちもらしたのが残念だと、今ここにやってくる」とかつぎ、からかう。
やがて薄衣をまとった牛若が五条の橋に現れ、母の命により明日から鞍馬山へのぼることを告げ、今夜を名残と橋板を踏み鳴らし通行人を待ち構える。夜が更け、袈裟頭巾に頭をつつみ、鎧の上から黒い衣を着、大長刀をたずさえて荒法師弁慶が現れる。薄衣をかづいた女の姿の者を目にとめ、何者かをうかがうが、相手は女、自分は出家。思いわずらいながら通り過ぎようとすると、牛若は弁慶の長刀の柄を蹴り上げる。
「すは、しれものよ。物見せん」荒法師弁慶と美少年牛若との斬り組み。終には弁慶は降参し、主従の契りを結び、九条の御所へとお供したのだった。
杜若
かきつばた
恋之舞
こいのまい
諸国一見の僧が東国三河国へ着く。沢辺に杜若が今を盛りと咲いており、あまりの美しさに見とれていると、里の女が現れ「ここは三河国八橋といい杜若の名所であり、色もひとしお濃い紫(ゆかり)の花だ、とりわけ心してご覧なさいませ」と言う。そして『伊勢物語』にある八橋の謂われを、さらに「沢の杜若の面白く咲き乱れているのを見て、ある人にカキツバタの五文字を句の頭において旅の心を詠めと言われ『からころも きつつなれにし つましあれば はるばるきぬる たびをしぞおもふ』と詠んだ。これが在原業平の歌である」と教えた。また「業平は東下りのみならず陸奥の名所名所まで歌の心を寄せて旅をし、なかでもこの三河の八橋の杜若を心にかけた。その業平の形見の花は今もここにある」と言い、僧を自分の庵に案内する。 やがて色鮮やかな唐衣、透額の冠を着け僧の前に現れ、これこそ歌に詠まれた唐衣、高子の后の御衣。冠は業平が豊の明りの五節の舞のときの形見のものなので身に添え持っていると言い、実は自分は杜若の精で「植え置きし昔の宿の杜若色ばかりこそ昔なりけれ」という歌も、女が杜若になった昔語だという。また業平は歌舞の菩薩の生まれ変わりで、その和歌の言葉が経文となり草木までも成仏すると教え『伊勢物語』の巻々の業平の恋物語りを舞い、夜が白むとともに杜若の精も悟りの心を開き消えていく。
須磨源氏
すまげんじ
窕
くつろぎ
日向の国の宮崎の社官藤原興範は、伊勢参宮を志し、浦々を長閑に旅し、摂津国須磨の浦に着く。樵の老人が桜を眺めているので、この花は故ある木かと尋ねると、老人はこれこそ名に負う若木の桜だと答える。興範に請われるままに老人は光源氏の生涯を語り、自分こそは『源氏物語』の主人公であるというや雲に隠れる。興範が夜すがら奇特を待っていると、妙なる音楽が聞こえ、月の光輝く須磨の浦に光源氏の霊が天下って、青海波を舞い、夜明けとともに消えるのだった。